シカゴ・ブルース最大の
アーティスト＆フィクサー
ウィリー・ディクソンの
イギリスから発売された。
名ベース奏者として（DISC 1 & DISC 2）
名コンポーザーとして（DISC 3）
チェス＆コブラ・レコードの社長として（DISC 4）
大きく分け3つの顔を持つ
ウィリー・ディクソン。
彼が関わった
モダンでクールでアブストラクトな
名曲＆名演が全部で１００個 !
Chuck Berry
Muddy Waters
Bo Diddley
Buddy Guy
Lowell Fulson
Elmore James
Otis Rush
＊＊＊
Howlin' Wolf on You Tube
with willie dixon and hubert sumlin
performs smokestack lightning. live england 1964
THE WILLIE DIXSON STORY (4 CD SET)
PROPER : PROPERBOX 166 (UK 2012)
今年の冬
ピーターパンの古いお客様マイクが
戦後日本ポピュラー音楽史
「さよならアメリカ さよならニッポン」を
ニューヨーク大学から出版した。
その日本語版がついに完成。
笠置シヅコから始まって
美空ひばり＞坂本九＞
寺内タケシ（この章冴えまくり）＞
タイガーズ＞かまやつ＞ジャックス＞
石原慎太郎（女々しさの質が分かった）＞
はっぴいえんど＞ユーミン＞
YMO＞チャゲアスまで
「アー なるほどのね! エッ そうだったの!」の
目からウロコの連発（ウロコ品切）。
ニューヨーク大学から出た本を
アノ白夜書房から出すマイクのセンスって
「真っ赤な太陽 by 美空ひばり」的
ハイブリッド感じゃない。
さよならアメリカ さよならニッポン MICHAEL BOURDAGHS マイケル・ボーダッシュ著
白夜書房 2012
さんまの「しゃべくり」づくしのように
ルファスの一番の魅力って
「歌づくし」なところだと思う。
極端にいえばアルバムごとの
楽曲の出来不出来は
ルファスの音楽の本質とは
実はあまり関係ない気がする。
＊＊＊
レナード・コーエンの娘
ロルカとの間に
愛娘VIVA KATHERINE WAINWRIGHT COHEN
を授かったルファス・ウェインライト
この秋には
ドイツ人のパートナーと同性婚が決まってるというし
ルファス・ウェインライト
そのプライベートはまさにハレルヤ！
＊＊＊
そんなルファスの新作
悪いはずがない。
タイトル曲「OUT OF THE GAME」のイントロが
いつものピアノではなく
ビビットなエレキ・ギターでスタートしたときは
「今度は絶対売るぞ（わ）」という
ルファスの意気込みを感じた。
プロデューサーに
同世代のマーク・ロンソン
（エイミー・ワインハウス、アデル）
を立てた勝負作。
ルファスのアーティスト魂を
消し去ることなく
ルファスをスター街道へ連れ出した
マークに拍手。
RUFUS WAINWRIGHT/OUT OF THE GAME (2 LP SET)
DECCA : B00116592-01(US 2012)
「ネオ･フォーク」の一言では
片付けてしまえない何かを感じさせる
ジェイムス・ヨークストン
スコットランドのシンガー＆ソングライターで
10年前の名作アルバムが再発された。
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1972年に
「ピンク・ムーン by NICK DRAKE」を
聞いたとき
すぐ素晴らしいとは思ったけれど
40年経った今
その有難さというか
よくぞこんな音楽を残してくれましたという
ニックに感謝したい気持ちは
何倍にも膨れ上がっている
ジェイムス・ヨークストンからは
それを同様の展開を感じる。
＊＊＊
アレンジは
若干の創意工夫はあるものの
聞くものに強い印象を残すものはない
でも聞き込めば聞き込むほど
ロンドンやマンチャスター出身の
フォークシンガー達の
単純な「俺様」志向にはない
ケレンミの無い強靭な「俺様」が
ジェイムスの音楽にはある。
＊＊＊
ジャケット写真に写ってる
スコットランドの小さなコテージに
仲間と篭り録音したアルバムだという
そのせいだろうか
大気の「麹」がジェイムスの音楽に
特別な匂いを残している。
故ジョン･ピールが絶賛したという意味が
少し分かりかけたところ。
JAMES YORKSTON/MOVING UP COUNTRY (2 LP SET)
DOMINO : REWIGLP 79 (UK 2012)
まさか21世紀に
ビーチ・ボーイズの新作が
聞けるとは思わなかった。
すべて新曲ということでいえば
「BEACH BOYS LOVE YOU1977年」以来
35年ぶりの新作。
バンド結成50周年
オリジナルメンバー5人(全員69歳以上）が
その情熱のすべてを
このアルバムに注ぎ込んでるのがわかる。
皮肉っぽい人には
マスターズ大会の「記録」みたいに
聞こえるかもしれないが
そういう御仁は
9曲目の「STRANGE WORLD」から
12曲目の「SUMMER'S GONE」までを
よーく聞いてみてよ
コレってビーチ・ボーイズにしか
出来ない芸当だよ。
シンセサイザーの音色は
極力抑えられてる。
THE BEACH BOYS/THAT7S WHY GOD MADE THE RADIO (CD)
EMI JAPAN : TOCP 71311 (JP 2012)
1978年マーヴィン・ゲイは
17歳年上の妻アンナとの
愛の確執をテーマに
この２枚組「離婚伝説」を発表した。
（ジャケのマーヴィンがソクラテスなら
アンナは自動的に悪妻になっちゃうけど）
それまでマーヴィンは
2枚組など作ったことがなかったので
発売当時は２枚組アルバムを
作ってしまうほどマーヴィンの
アンナへの愛は大きかった!
とファンは思ったはず、
でも実際は２枚組のほうが
定価が上がり離婚慰謝料が
より稼げるという水増し作戦だった。
この時期のマーヴィン
離婚にドラッグに金欠と
プライベートは最悪だったにもかかわらず
この2枚組から聞こえてくるのは
前作「I WANT YOU」で開花した
静的でエレガントな官能美が
より贅沢に散りばめられた音楽。
このアルバムの後には
「セクシャル・ヒーリング1982年」の大ヒットが
待ってるんダゼ！
＊＊＊
下のYOU TUBE は
モントルー・ジャズフェスに出たときのもので
このアルバム「離婚伝説」のD面のトップ
「A FUNKY SPACE REINCARNETION」
コカインで完全にイッテる。
MARVIN GAYE/HERE, MY DEAR (2 LP SET)
MOTOWN : T 364 LP2 (US 1978)
ボニー・レイットの快作。
その真っ当さに
心の奥の老廃物がスーっと消えていく。
12曲中11曲が
ボブ・ディラン
（グラミーアルバムOUT OUT OF MIND から
STANDING IN THE DOORWAYをカヴァー）
やボニー・ブラムレット等
新旧ソングライターの楽曲。
偉大なシンガーで
偉大なソングライターの
ボニー・レイット
いつの頃からか自作曲にこだわらず
アルバム製作をするようになった。
矢野顕子が
「私がやれば他の人の曲も私のものなのよ」
と言っていたけれど
「自分の心情にぴったり来るなら
自分が書こうが他人が書こうが
どっちでも同じよ」・・・
女ボニー・レイット61才
きっとそんな心境なんじゃないかと思う。
それよりなにより
下のYOU TUBE 見てくれる
そこには間違いなく
馴染みのミュージシャン達と
（元ビーチボーイズのリッキー ＆マイク・フィニガン含）
音楽を続けられる喜びでいっぱいの
ボニー・レイットがちゃーんと居る
WOULD'NT IT BE NICE!
BONNIE RAITT/SLIPSTREAM (2 LP SET)
REDWING : RWR002 (US 2012)
あのファースト・アルバム（2500万枚）が
世代を超えて支持されたのは
ノラ・ジョーンズの｢歌の上手さ」が
それまでのホイットニーやマライア達の
それとは別次元にあったから。
22歳ですでにノラは
"クイーン・オブ・ヴォーカル"
エラ・フィッツジェラルドにも負けない
「ナチュラルな歌の上手さ」を
身に付けていたんだよね。
＊＊＊
旬のプロデューサー
デンジャー・マウスと組んだ
新作（5作目）が届いた。
うーん
松坂牛（ノラ）が
評判のカリスマ・シェフ（デンジャー・マウス）の
とんでもない無国籍料理に使われちゃった
って感じだな。
ノラには
エターナルな美しさを持つ「新しさ」の中に
居てほしい。
「素材勝負」のプロデューサー
故アリフ・マーディン（ファースト・アルバム）が
お墓の中で地団駄ふんでるよ。
NORAH JONES/LITTLE BROKEN HEARTS (CD)
EMI JAPAN : TOCP 71280 (2012 JP)
（ホワイト・ストライプス/ラカンターズ）の
初ソロアルバムが出た。
カラスを肩に乗せ
ダミアン（オーメン）降誕って感じの
ペイル・ブルー・ジャケットに
期待は膨らむ。
過去の偉大なロック遺産への偏愛で
ジャック・ホワイトの右に出るものはいない。
でも
ここでは
「過去の偉大なロック遺産への偏愛」が
単なるロック・ヒストリー・アラカルトに
聞こえる。
ホワイト・ストライプスでは
「過去の偉大なロック遺産への偏愛」が
紙一重ですべて吉と出ていたのに。
JACK WHITE/BLUDERBUSS (LP)
THIRD MAN RECORDS:TMR 139 (US 2012)
アメリカで春になると
ラジオから流れ出す
これは
ケニー・ロギンスのいとこ
デイヴ・ロギンスの大ヒット曲。
長引くベトナム戦争に
うんざりしていた1974年当時の
アメリカ人の心に
なつかしい清らかな風を送った１曲。
歌詞は
（ガールフレンドに向かって語りかけ）
春になったらボストンに来ないかい
友達が持ってる空き部屋もいっぱいあるし
働けたらなと思っている
素敵なカフェもあるんだよ
その店の前の舗道で
君も自分の描いた絵を
売ることも出来ると思うし
ボストンに来てくれないかな
でも彼女の答えはいつも「ノー」
生まれ故郷のテネシーに居るという
DAVE LOGGINS/APPRENTICE (IN A MUSICAL WORKSHOP) (LP)
EPIC : KE 32833 (US 1974)