まず下のYOU TUBE
TV出演時の「DON'T WORRY BABY 1964年」見てもらえます?
ビーチ・ボーイズにしか生み出せない
この無垢な美しさは
ジグソーパズルのように複雑な
この「スマイル」でもまったく失われていない。
ロック/ポップスにユートピアを持ち込んだアルバムは
「サージェント・ペパーズ」と「スマイル」だが
今この2枚を聞き比べると
ビートルズの4人が束になっても
ブライアン・ウィルソンの童夢には追いつけないって感じ。
***
もう一度YOU TUBE の5人の所作に注目、
ビーチ・ボーイズそれぞれの性格&関係が
ここにすべて出ていると思う。
特に間奏部分。
放映中腕組みしてるはずだった野生児デニス・ウィルソン
普段の地が出てしまい腕組みし忘れてしまうところとか、
最年長のマイク・ラブが緊張をほぐそうとオドケてみせると
デニスとカール・ウィルソンが思わず吹き出してしまうところとか、
生真面目なアル・ジャーディンとカールだけが
腕時計してるところとか、
一番びっくりなのは
天使のように可愛らしいブライアン・ウィルソン!
こんな愛すべき5人なのに
”スマイル” がバンド崩壊の始まりになるなんて
なんという皮肉。
***
ピーターパンで
この曲「DON'T WORRY BABY」が流れたとき
「スターティング・オーヴァー(JOHN LENNON)は
これをパクッたのか!」とのたまったのは
鈴木慶一だった。
CAPITOL : T 2580 (USA 2011)
ルー・リードは時代の匂いを嗅ぎ取る名人だ。
実は
ほんの2-3年前まで中古レコード屋に
わんさかあったメタリカとブラック・サバスのLP盤は
今じゃほとんど見かけない。
商品が入荷すると即売れちゃうらしい。
EBAYやヤフオクも同じような状態。
今世界中のロックファンが
ハードロック&メタルの大御所のLP盤を探してるのはなぜ?
ルー・リード&メタリカの「LULU」は
その答になると思う。
***
本当の意味で「アーティスト」と呼ばれる
ミュージシャンは全部が全部そうではないにせよ
きっと徹底したエゴイストなんだと思う。
ディランしかりジョアン・ジルベルトしかりマイルスしかり。
ルー・リードもその点では負けてはいない。
でなければ
あと4ヶ月で70歳を迎えるというのに
この暴れっぷりはないもの。
VERTIGO UNIVERSAL : UICR 1093/4 (JP 2011)
「バイオフィリア(生命愛)」って
アルバムタイトル聞いたときから
悪い予感はしたんだ。
21世紀に入ってからのビョークは
同じ場所を堂々巡りしてるね。
お約束のように現れる
ドラムンベースとエレクトロ・ガムランに
こころは沈む。
90年代最高の
シンガーソングライター&サウンドクリエイター、
ビョークはどこへ行ってしまったの?
ファンだからあえて言わせてもらうけど
ビョークが描こうとするヴィジョンのスピードに
周りの音楽的ブレーンが追いつけないんだよね。
これアルバム2枚で失速した戸川純の悲劇と同じ。
このままでは
斬新なのはカブリモノだけってことになっちゃう
(こちらもレディガガって強力なのが控えてるし)。
下のYOU TUBE の映像はビョークにしか作りえない
素晴らしいものだけれど、
昔は音像だけでコレをやってのけたからね、ビョーク。
UNIVERSAL MUSIC : TPLP 1016 (EU 2011)
キリンジが他のアーティストに提供した楽曲を
キリンジ自身で新録したものが
ディスク1 に。
その提供された楽曲を
松たか子、バード、畠山美由紀、古市東子、
鈴木亜美、藤井隆等が録音したものが
ディスク2 に。
キリンジの楽曲は
キリンジが歌い演奏することによってのみ
成立すると思っているキリンジ・ファンと、
キリンジの素晴らしい楽曲を
他の歌手にも歌ってほしい
と思っているキリンジ・ファンがいるはず。
ディスク2 はその答になるはずだった、
が、ジャッジは微妙。
この国に「東京基準」という
ファイアーウォールがあるのを忘れていた。
「X FACTOR」観たあとなので気持ちは複雑。
NIPPON COLUMBIA CO LTD : COCP 36392/7 (JP 2011)
コールドプレイの新譜が出た。
1960年代
ストーンズがビートルズの好敵手だったように
現代はコールドプレイ VS レディオヘッド。
「キッドA」で時代の最先端に躍り出た
レディオヘッド。
でもコールドプレイは「サタニック・マジェスティーズ」を
作らなかった。
そこにどんな決断があったかは
分からないけれど
この新作までのコールドプレイの歩みは
保守的で堅実、
とどまる勇気(CCR ラモーンズ)
その最良の形を見せてくれる
コールドプレイ。
EMI : TOCP 71200 (JP 2011)
リミックスしてたころのFOUR TETとは
もう別人だね。
センスのいい新進気鋭のDJ から
音楽界を牽引するアーティストへ変貌、みたいな。
先月シャフトで見たジャイルズ・ピーターソンの
濃厚なプログラムも捨てがたいけど
2011年最新型チルアウト@ミッドナイトなら
FOUR TET が気分だろうね。
これ2ステップ・ダブステップって呼ぶらしい。
FOUR TET FABRICLIVE 59 (CD IN A CAN WITH SLIP CASE)
FABRIC RECORDS : FABRIC118 (EU 2011)
モジョ(MOJO)11月号 のオマケCDは
ジョージ・ハリソンのカヴァー集。
ロン・セックススミス、イアン・マシューズ ETC。
放っておいてもうまく立ち回りそうな
ポールやジョンに比べ
サイレント・ジョージに対する
ミュージシャンの愛は深い。
とはいうものの
ビートルズ関係のカヴァー集で
コレ!ってものにお目にかかったことが無い、
「アイ・アム・サム」はまあまあだったけど。
ジョニー・キャッシュの
「イン・マイ・ライフ」の例を出すまでもなく
アーティスト・パワーが確立されていないと
ビートルズ関係のカヴァーは面白くない。
キリスト教徒だったこともある
ボブ・ディランの歌う「マイ・スイート・ロード」とか、
ジョニ・ミッチェル(ジョージ・ハリソンはジョニの大ファン)の歌う
「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」とか、
ドンピシャはまると思うんだけど。