キリンジから目が離せないのは
ポップスの限界を押し広げるのに
堀込高樹はいつも意識的だから。
最新デジタル・リマスターで
再発されたワーナー時代の紙ジャケ5枚と
この新生キリンジの新譜を聞いて
改めてそう思った。
これまで出した11枚のアルバムすべてが
正統で堅実なサウンドなので
一見そうはみえないけれど
ファンはちゃんとキリンジの革新性に
気付いている。
新作は
堀込高樹の詞の世界はそのままに
淡いフィルターのかかったボーカルが
サウンドの中に絶妙に組み込まれている。
新メンバーのヴォーカルが
違和感なく耳に入ってくるのは
そのせいかもしれない。
アッパーな傑作「進水式 M-1」や
「心晴れ晴れ M-11」が好き。
KIRINJI/11 (CD)
VERVE/UNIVERSAL MUSIC JAPAN : UCCJ 2117 (2014 JP)